登場人物
防具その3(兜など)

頭部を保護するための防具。
さまざまタイプがありますが、概して防御力の高いタイプほど視界が狭まり、音も聞こえにくくなります。
高級軍人のものほど、装飾的な要素が強くなる傾向がありました。

★有角人は角が邪魔になるので、普通は被ることができません。

半球形兜
Helm
半球型の兜で、何の装飾もついていないタイプ。
脳天部分を守ることができるが、顔面は空いたままである。
時代が下がると、首筋の防護用のすだれや鉄網を取り付けるようになっていった。
正面中央部に金属片を取り付け、鼻筋を保護するようにしたものもある。

リュガス王国時代からマウア帝国時代に至るまで、下級兵士たちの標準装備である。
ただ単に「兜」といえば、このタイプのことをさす。

二本角兜
Double Horn Helm
半球型の兜に、装飾的な二本角を取り付けたもの。
魔法王国時代からリュガス王国初期にかけて、リュガスの武将が好んで用いた。
角をつけた理由については、有角人への対抗意識の表れだと伝えられているが、真偽のほどは不明。

見栄を張って巨大な角をつけすぎたために首を痛める者や、木の枝に引っかけて落馬する者などが続出したため、次第に廃れていった。
(有角人へのコンプレックスが消滅し、「つけ角」をする必要を感じなくなったためとも言われる)

クロスヘルム
Close Helm
円筒形の、バケツのような形をした兜。顔面まですっぽりと覆うことができる。
目の部分には穴やスリットが設けられており、そこから外を覗くことができるが、後世の兜のように面頬(バイザー)部分が別体になっていないので、視界は良くない。
また、首を回したり、振り向いたりするといった動作も行いづらい。
その欠点が嫌われて、やがて廃れていった。

リュガス王国中期まで、主に騎士たちの間で用いられていた。

アーメット
Armet
面頬(バイザー)部分が可動式で、上部に跳ね上げることができる構造になった兜。
普段は面頬を上げておけば、視界の妨げにはならない。
いざというときにはすばやく完全防備体勢を取ることができる。
機能的なデザインにもなったため、騎士たちに好まれている。

リュガス王国後期以降、騎士たちはこのタイプの兜を愛用している。

★暗黒将軍コル・ヒュドレの兜も、このタイプの変形である。
★ヒドラの顔を跳ね上げると、その下からまたぞろ、別の仮面が出てくるというわけだ。


サーリット
Sallet
鼻のあたりまでを覆うように作られた、一体型の兜。
目の部分には、一直線のスリットが穿たれている。
クロスヘルムの不便さを嫌って、一時期用いられたが、アーメットの登場で廃れた。

ギスパニアなど、一部の地方では未だに用いられている。

有角人用 通常、有角人はその角が邪魔になって、兜の類を被ることができません。
しかしそれでは無防備なので、幾つかの試みがなされました。

鎖頭巾
Chain Coif
鎖帷子の素材で作られた頭巾。髪の毛に絡まぬよう、キルティングで裏打ちしてある。
角の部分をに穴をあけて作っておき、頭にすっぽりと被る。
首筋まで垂らしておけば、刀刃に対してはかなりの防御を得られる。
ただし、堅さはないので、打撃武器に対してはほとんど効果がない。
(表面に補強板を取り付ければ、かなり改善される)

鉢金
Skull Plate
頭蓋骨を守るため、頭に当てる金属製の板。(動物の牙やウロコを使うこともある)
丈夫な布に取り付けて、鉢巻きの要領で額に巻いたり、鎖頭巾の補強板として取り付けたりする。
頭部全体を守るためには、かなり工夫が必要である。

★主人公ギャメルは、大きな角が三本もあって、普通の有角人に輪をかけて兜を着用しにくいため、このいでたちであることが多い。(髪の毛がやたら頑丈になってから以降は、あまり必要でもなくなったらしいが)

魔法頭巾
Magic Coif
ごく普通の布製の頭巾だが、魔法により防御力が高められている。
もともと、有角人は魔力に長けた種族とされているので、この形式が最も好まれた。
無角人の武将の中にも、兜の重さやうるささを嫌って、これを愛用した者もいた。
魔法王国の衰退とともに製造が困難となり、廃れてしまった。

  

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