第三巻 「玄冬のトーガ・ムレン」
「ぶんりき文庫」版
玄冬のトーガ・ムレン
ISBN4-88392-439-4
2004/08/15 初版発行
2005/10/01 新版発行にともない絶版
表紙の人物:ヨアキム

「やれやれ、やあっと出番が来たかい……」(モーレ)

「良かったわねえ……わたしはとうとう、今回も無かったわぁ〜」(シャロン)
「お〜ほっっほっほっ」(パンドラ)
「………………」(コル・ヒュドレら、その他もろもろ、わらわら)


 第二巻を前半とする、その後半部分……として書き始めたのですが、突如出番の少ないキャラたちからのクレームが入りまして(笑)、第一章にあたる部分をあとから書き加えて挿入し、その他の部分もそれにつじつまの合うように修正した……という、ちと風変わりな書き方をいたしました。
 しかし、今回は校正にも念には念を入れまして、何と全部を数回にわたり「キッチリと音読」するという作業をしっかりと実行いたしましたから、文章にもストーリーにも、正直のところ自身がございます。

 格調高い文体と、現代的軽さとの奇妙な融合

 というのは、本巻に対して頂いた、批評家集団からのありがたいお言葉です(あんまりありがたいので、そのまま帯の文言に採用させて頂いたほど)。

 さて、今回もまた……といいますか、何といいますか、「長い」です(^^;;; もっとも、第一巻よりはやや短く仕上がりましたが(総ページ数527)……
 当初の予定枚数をオーバーしたのはまあ良いとして(良くないって)、元々の「第二巻草稿」のラストシーンまではストーリーを勧めたかったのですが……新旧のサブキャラのストーリーに枚数を費やした結果、ギャメルらが軍功を立てた辺りで区切りとしなくてはならなくなりました。でも、読んで頂ければお判り頂けると思いますが、作品としての完成度はますます高くなっております。

 外伝的パラレルワールド作品からの乱入キャラ「パンドラ」も初登場し、ますます作品世界も賑やかに……なっている割には、シャロンやコル・ヒュドレなど、主要キャラなのに今回も登場シーンが来なかった連中も居たりしまして、小説というものの手綱取りの難しさをひしひしと感じて居る今日この頃でございます。
 来るべき第四巻では、それらのキャラたちも再登場し、幾つかの謎も解かれて、物語も次なるステップへと進む……予定でございます。(笑)
こちらは第二巻とはあべこべに、通常版よりも長めとなっております。通常文庫版では二巻に移された「トーガ・ムレン回廊の戦い」の章が、「ぶんりき文庫」版ではこの三巻に収められているからです。その他にも、リライトされた通常文庫版とはあちこち異なっておりますので、両方を比べてみるというのも、あるいは一興かと……(^^)

出版社による解説ページ