第一巻 帝国崩壊の序曲
ISBN4-88392-504-8
2005/10/20 第一刷
2012/08/28 電子書籍版発売
表紙:コロシアムでの主人公ギャメル

漆黒の肌、金色(こんじき)の髪、そして額に屹立する三本の角。
あれは何者だ? 人か? 魔か? それとも……?
万雷の歓声のもと、コロシアムにその勇姿を現す若き異形の剣闘士ギャメル。
常勝の英雄・不敗の勇士・無敵の鬼神……
あらゆる賛辞に彩られ、向かうところ敵なしの彼の前に、最大の強敵が立ちふさがる。
「龍人族(ドリダリア)だと? よし、受けて立ってやる!」
黄金(こがね)色の虹彩が闘志に燃え、虹色の光を帯びた。

 リライトされ、新装なりました第一巻、“帝国崩壊の序曲”です。

 ルテラ・サーガのシリーズは、「サーガ」と銘打ったように、とにかく長大な物語ですが、これはその「ギャメル編」の最初の部分。主人公たる「名無し」のギャメルが、異郷の地リュガスにおいて英雄的な武勇を有する剣闘士として頭角を現し、もろもろの事件に巻き込まれつつ、やがては傭兵隊長として召し抱えられるまでを描いたものです。
 
 上に紹介した裏表紙の文言にもあります通り、主人公たるギャメルの風采は、ひときわ異彩を放っております。
「そこら辺に転がっていそうな、ごくごく普通の奴が主人公」であるという、今どきの物語とはいささか勝手が違うかとは思いますが、ギリシアや北欧の神話物語でも読んでいるつもりで、豪快な剣と魔法のファンタジー世界をお楽しみ下さい。
 
 この「第一巻」は、以前の「ぶんりき文庫」版とはかなり変わっております。
 もともとの文章が数年前のレベルのもので、今見直してみると「あらら、ら……」とため息が出るほどの代物でしたので、「とりあえずは手直しを……」などと当初は考えていたのですが、作業を進めるうち、あまりにも修正箇所が多くなることが判明。「ええい、ならばいっそ……」とばかり、あらかたを一から書き起こしてしまいました。(^^;;;

 ネタバレも何ですので、内容的にどこがどう変わったかはあえてお知らせしませんが、「買って損のない一冊」となったことは保証いたします。
「ぶんりき」版ではちとばかし目立った「しち難しい表現」も、ほとんど改めましたので、格段に読みやすく仕上がっております。(^^)

 また、今回の新版は、イラストの方もすべて新しい方(山宗 "SANSYU”さん)に描き直して貰い、なかなか見栄えのするものとなりました。

出版社による解説ページ