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★ここで述べる「魔石」については、第4巻で詳しく登場させる予定ですが、実はさり気なく、既にちらほらと登場していたりします。(^^)
第一巻でアリエスが崖から落ちた後、不思議な連中から渡される青と赤の石。
アリエスの魔斧やら、ラミルダの錫杖やらにはめ込まれている宝珠の類。
これらも皆、次のような「魔石」の一種であろうと思われます。
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「魔石」伝説とその後の研究 |
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古代種族たるドリュテス、ドリダリアたちや、古典器の魔道士たちの中には、その体内に「魔石」と呼ばれる一種の結晶体を有する者たちが存在していた。それを有する者たちは皆一様に素晴らしい魔力の持ち主であったため、「神に愛でられた者」として人々の畏敬を集めたという。
その者たちの死後、彼らの体内の「魔石」は取り出され、宝物として加工されることも多かった。魔法力を有するアイテムにはめ込まれた宝玉の類は、たいていはこれら「魔石」の加工物であるとも言われている。
一時期には、より強い魔力を欲する魔道士たちの間で、これらの「魔石」を自らの体内に移植しようとする試みもなされたことがあった。だが、それらの魔道士たちの多くは体調を壊し、若死にしてしまうことが多かったばかりか、移植された「魔石」自身も壊れてしまうことが多かったという。
彼らはその苦い経験から、次のような教訓を得た。
「魔石は天からの賜り物なのであり、疎かに扱ってはならない」
「魔石は、その資格のない者には決して馴染まぬ神聖なものである」
もっとも、一部には見事に「魔石」の移植に成功した者たちもおり、彼らはそのもくろみ通りに絶大なる魔力を得ることができたという。「魔石」の移植は、絶対に不可能なわけでもなかったのである。
伝説によると、その可否はかなり厳密であり、さまざまな要素が複雑に絡み合うので、一概に「こうだ」とは言いきれないものらしいが、最も重要な要件は、次の一言に集約されるという。
「魔石を宿すためには、魔石に気に入られなくてはならない」
この言葉の解釈についてはさまざまに取りざたされていたが、かなり後になって、その意味するところが明らかになる。
「魔石」は、それ自体が命を持つ、一種の「珪素型生命体」であったのである。
この珪素型生命体に関しては、その後の研究の結果、次のようなことが判明した。
★「炭素型生命」である宿主に寄生し、その宿主の生命エネルギーの一部を吸収して成長する。宿主との相性が良ければ、特に問題を起こすこともなく、順調に成長するが、相性が悪ければ宿主の健康を害し、共倒れとなることもある。
★一定の大きさまで成長したところで、それ以上大きくはならなくなり、その後しばらくの間は、何ごともなく過ぎる。(自然な形での「魔石」の所有者は、たいがいの場合はこの段階になるまで自覚がない)この時期は「休眠期」と呼ばれる。
★「休眠期」が開けると、ある種のエネルギーを放出し始める。これが結果として宿主の魔力を高める効果をもたらし、その魔法能力を著しく増大させる。急にこのような状態になった場合、宿主は一時的に体調を崩すこともあるが、だんだんと互いに慣れてくると、常人よりも健康で長生きするようになる。おそらくは長命種族たち(ドリュテスやドリダリアなど)が長寿であることの原因についても、この種の「魔石」と共生関係にあるためであると推測される。
★「魔石」の発する魔力の影響で、宿主の肉体にはまれに「若返り現象」が発生することがある。ドリュテスたちがいつまでも若々しいのも、おそらくは同様の理由によるものであろうと思われる。
★宿主が死ぬと、「魔石」はだんだんとそのエネルギーを失い、やがては死ぬが、その前に別の炭素型生物(相性の良いもの)と共生関係を築くことができれば、そのまま生き続ける。「魔石」の中には、そのようにして次から次へとパートナーを取り替えつつ、無限に近い時を生きている者もいるという。また、すぐには乗り換える相手が見いだせぬような場合、一時的に冬眠状態となって命を長らえようとする個体もあるという。
★体内の「魔石」が死ぬと、宿主は著しく体調を崩し、いくらもせぬうちに命が尽きてしまうことが多い。これは、長らく「魔石」に依存してきた生活が急変することが原因であろう。
★ごくまれにではあるが、体内に複数の、性質の異なる「魔石」を宿している者が現れることがある。そのような個人は、時代に冠絶した超絶レベルの魔道士たることが多い。
などなど、幾つかのことは判ったものの、実のところ、まだまだ謎は多い。
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「核」 |
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「魔石」を模した一時的な結晶体もしくはエネルギーの塊のこと。魔道士たちがゴーレムのような魔法生命体を作成する際に用いる。魔石ほど安定していないので、魔法生命体の体外に取り出されると、急速に崩壊してしまう。
★このような「核」の代わりに本物の「魔石」を用いて作成された魔法生命体が、あのデュルガーであるとも言われているが、ガルテカの厳重な軍事機密の壁に阻まれて、その真偽のほどは定かではない。
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