上級貴族 |
大公爵
(Gran Duc) |
「大公」と略されることも多い。
王の弟など、ごく一部の高位王族に限って、一代限りに与えられる最高の爵位。
皇族もしくは王族以外は、決して叙せられることはない。
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アルトワは、リュガスに割拠してから後は「リュガス=カルデリア=トリテア大公」となり、この爵位に付いた。
また、皇太子である皇子は、このランクとして扱われる。 |
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公爵
(Duc) |
皇族・王族以外の者が叙せられる最高の爵位。
本来、そうとうに広大な所領を有する大領主のための爵位なのだが、マウア時代になるとかなり形骸化し、名前だけのものとなった。
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ギュルテムンゲ家など、マウアに滅ぼされた旧王室の宗家が叙せられる。
つまり、(たてまえとしては)皇太子以外のマウア皇族より上位に置かれているのである。 |
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大侯爵
(Prince) |
カルデリア王国〜リュガス王国期にのみ存在した爵位。
所領を与えられた王族のための称号だった。
マウア時代には、基本的に王族は個人の所有地を持たないことになっているから、爵位としては廃止されている。 |
通常の皇子たちは、このランクとして扱われる。 |
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侯爵
※辺境伯※
(Marquis)
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時代によって呼び名が異なる。
カルデリア王国期には「辺境伯」であったが、リュガス王国期以降は「侯爵」となった。(両方がともに存在し、別の格式だった時期もある)
伯爵の上の爵位で、それなりの所領を持つ。
「辺境伯」と呼ばれていた頃には、異民族との国境線付近に配され、通常よりも高い政治的・軍事的権限を与えられることが多かった。 |
ルスタテカ家、グムルカ家など、古くからの貴族の家柄に多い。
「リュガス伯アルトワ」は、このかつてこのランクであった。
(特例として「辺境伯」扱いの伯爵とされていた)
ハロンも、「大将軍」となってからは、このランクに上げられた。 |
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伯爵
(Comte) |
いわゆるごく普通に「貴族らしい」身分の爵位。
それなりの所領を有していることが多い。
名誉称号でしかない場合もあるが、格式としてはそれなりに立派なもの。
これより上は、いわゆる「成り上がり者」が存在しない。
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「将軍」クラスの武人が、退役後に一代限りの名誉称号としてこの爵位を与えられることもある。 |
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子爵
(Vicomte) |
「副伯爵」と呼ばれることもある、伯爵と男爵の中間の爵位。
リュガス王国の時代までは、「中級貴族」の扱いだった。
(一代で成り上がることのできる限界の爵位)
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通常、「将軍」クラスの武人はこのランクとして扱われることが多い。
(正式に別の爵位を与えられていない場合) |
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男爵
(Baron) |
この爵位からは、純然たる世襲の爵位となる。
貴族としてのランクはあまり高くない。
子爵同様、リュガス王国の時代までは「中級貴族」の扱い。
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武勲の高い武人に与えられることもある爵位であるが、敷居はけっこう高い。 |
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下級貴族 |
準男爵
(Baronet) |
マウア時代になってから新設された爵位。
一代限りで、世襲されることはほとんどない。
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騎士団長や将校クラスの武人は、通常この爵位を与えられる。
「玄将軍」となったギャメルも、ランクとしてはこのあたりである。 |
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勲爵士
※上級騎士※
(Chevalier) |
マウア時代後期以降は、俗に「上級騎士」と呼ばれることが多い。
(“貴族の資格を有する騎士”と思えばよい)
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「リュガス騎士団」の構成員は、全てこの階級である。
(他の騎士団にくらべ、かなり特別扱いを受けている)
ローザも、はじめはこの階級だった。 |
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騎士階級 |
一般騎士
(Chevalier) |
代々世襲される、一般的な騎士たちの階級。
(マウア時代以降は、貴族とは認められていない) |
緑林騎士団や白薔薇騎士団など、各種の騎士団の構成員は、ほとんどこのランクである。(一部の高武勲者をのぞく) |
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勲功士
※名誉騎士※
(Chevalier) |
一代限りの、世襲されない名誉称号。
正式には騎士ではないが、ランク的にはほぼ同格とされ、俗に「名誉騎士」とも呼ばれる。戦死した兵士に授与されることも多い。
(マウア時代も後期になってから、作られた制度) |
ギャメルの部下の主立った連中は、このランクの扱いである。 |
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※ Chevalier(シュバリエ……騎士・勲爵士・勲功士)に関しては、リュガス王国期まではまったく区別がなかった。
「上級騎士」、「一般騎士」、「名誉騎士」などと細かく区分され、貴族階級と騎士階級とが分かたれるのは、マウア帝国の後期以降のことである。
※ マウアの時代には、上記のように「男爵」までが「上級貴族」と分類されているが、リュガス王国のころまでは「上級貴族」の敷居はもっと高く、「男爵」と「子爵」は「中級貴族」の扱いであった。(従って、マウアの時代でも「伯爵」以上は「格が上がる」とされる。武人が現役の間は決してそれ以上の爵位には叙せられないというシステムは、そのなごり)
※ 「辺境伯」の位置づけは、カルデリア王国の頃には通常の「伯爵」よりもやや格下であり、「田舎伯爵」というような意味合いだった。これがリュガス時代になると逆転するのは、ギュルテムンゲ家の始祖であった大アランらが最初に叙せられた爵位がこの「辺境伯」であったがため、格が上げられたものであるという説がある。
実際には、大アランが叙せられたのは「辺境伯」ではなく、「侯爵」であった(「辺境伯」を提示されたことがあったのは事実)から、後世の史家の混同から発生した説であろうと思われるが、いずれにせよ、リュガス時代にはこの両者は混同され、対等の格式となった。そして時代が下がり、マウア時代には「辺境伯」の呼称はほぼ消滅してしまうのである。(アルトワが「辺境伯」の格式で「特殊な伯爵号」を授与されたあたりからまた復活するが、あまり一般的ではない) |
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