基本は
“ハイ・ファンタジー”
そして
異世界の"神話” |
この長い物語を皆様にお伝えするにあたり、作者として貫こうと思っている基本スタンスがあります。
まこと大げさなようですが、それは「自分なりの感覚で“バイブル”を書いてみよう」というものです。
(注:ここで言うバイブルとは、「旧約」、それも物語的な色彩の強い部分のことです。「ソドムとゴモラ」とか「サムソンとデリラ」、そして「キング・ダビデ」など、ハリウッドのスペクタクル映画の題材にも取り上げられるような部分のことをイメージしております)
むろん、筆致までどこか聖典的にしようとか、この物語が他人の信仰の対象となることを望んでいるとか、そのようなことを欲しているわけでもありません。あくまでも、バイブルやその他の神話体系のような、壮大な物語、一代叙事詩を作ってみたい……という、作家としての願望の産物です。
まさにそれ故にこそ、わたしはこの作品に「サーガ」と銘打ちました。
実はいったん、本当に「叙事詩」として書きかけたんですが……これは断念しました。(笑)
別に、トールキンやラブクラフトを気取るつもりはございませんが、「新しい神話の創世」というポリシーだけは、この先どんどん巻が進んでいっても、きちんと保持し続けたいと思っております。
いろいろと申しましたが、ひとことに集約するなら「これは“ハイ・ファンタジー”である」ということです。(ルテラ・サーガは完全に異世界物語ですから、純然たる「ハイ・ファンタジー」になります。このような「ハイ・ファンタジー」に対して「ロー・ファンタジー」という言葉があり、これは現実世界で話が展開されるファンタジーもののことをさします。文体が軽いとか、お気楽に読めるとかいう意味の“ライト”系とは、また別の区分ですね)
ただし、時代の制約というものもございますから、トールキンのようにあまりずらずらと作品中に「世界観の解説文」を書き込むわけにもゆきません。彼の「指輪物語」では、冒頭の一章がまるまる「世界説明」にあてられており、主人公が登場するのは何十ページも読み進んでから……となっておりますが、今どきこの筆法に倣っりした日には、おそらく皆さんをひどく退屈させてしまうことでしょう。
これは決してわたしの偏見や思いこみというわけでもなく、現に某ライトノベル系雑誌の中で、その雑誌の新人賞審査員のお一人が、こんなことを述べておられました。
「わたしはファンタジーって苦手。作品世界の説明をいちいち読むの、めんどくさいから」
……(^^;;;
念を押しておきますが、これは決して、一読者の方の投稿発言ではありません。
その雑誌の企画する「新人賞」の「審査員」の方が、「審査に当たって投稿者向けに自分の採点スタンスを紹介する」文章の中で、書いておられたものです。
当然ながら、わたしはそれ見た瞬間、その雑誌に投稿しかけていた某作品を「すっ」引っこめちゃいました。(笑)
とまあ、そのようなこともありまして(出版社の編集の方からの助言もあり)、今日び、あまりくどくどとした世界観の説明でページを割くのも考えものだ……と思い至り、改訂版からは極力そのような箇所を削りまして、キャラクタの言動などによる間接的な説明に置き換えることといたしました。
とはいえ、基本スタンスが「ハイ・ファンタジー」であることに変わりはありません。
この世界における歴史的な事件や、各種族・各時代における文化、習俗。そしてファンタジーものの定番であるところの「魔法」に関する細かな理論づけ……等々、決めるべきものはきっちりと決めておくつもりです。
このサイトは、それらの細々としたデータを読者の皆様に紹介するために作際しております。
至らぬ点も多々あろうかと存じますが、末永くお付き合いいただければ幸いでございます。
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